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私たちがインソールの販売に従事して、15年以上が経過しました。
当初は、お客様お一人おひとりに合わせてオーダーメイドの中敷きをご提供するのが主な仕事でしたが、近年では、B to Bの取引も増え、既製品のデザイン、モデルづくり、海外生産、検品、輸入などの業務も増えています。
「自分の思い描くアイデアを形にし、海外で低価格で商品を製造して、日本で販売すれば、大きな利益が期待できる」とお考えの方も多いことでしょう。こうした考えは、たしかに間違ってはいませんが、正しいともいえません。
たとえば、私たちが取り扱うインソールに関していうと、すでに海外で市販されている商品を輸入すること自体、さほど難しいものではありません。ところが、まったく新しく企画した商品を海外で生産し、日本で販売することの難しさは想像以上のものがあります。
工場の選定はもちろんのこと、皆さんが作りたいと考える商品の仕様を、言葉も異なる外国の工場に正確に伝え、想像していたものを形にし、商品化することがいかに難しいことかは、実際に取引をしてみれば、簡単に理解できるはずです。
・・・実際に、私たちも多くの苦い経験してきました。
日本で仕事をすれば、担当者に伝えたイメージが曖昧であっても、痒いところに手が届く、理解力の高い経験豊かな職人の方が助けてくれるかもしれません。ところが、海外(たとえば中国)の工場では、私はこのように感じたことは一度もありません。
これは、中国の工場に、経験豊富な職人がいないということではありません。工場の担当者と話をしてわかったのは、欧米企業の場合、厳格な仕様書やCADデータなどの設計図面を事前に用意し、曖昧で誤解を招くような事態に陥ることがほとんどないため、工場担当者としては、相手の意を汲んで作業をすすめることがないというのです。
梱包の仕方や、発送方法に至るまで、「適当」ということはありません。仮に商品や輸送方法に不具合があったとしても、事前に指定しておかなかったのであれば、その責任は工場にはないと考えるというのです。
一方で日本からの発注は、曖昧な表現のことが少なからず有り、曖昧な表現の場合、むやみに独自色を出し、「解釈」、「提案」を行うべきではない、というのが中国の一般的な工場のスタンスのようです。
つまり、企画した商品を海外で製造する場合、欧米のように厳格な仕様書や設計データを用意することができるかがカギとなるということです。
私たちが行う仕事がまさに、この部分なのです。
以下、新しく企画したインソールをどのように商品化していくのかを順を追ってご説明します。
靴の中敷きにも様々な用途、タイプがあります。色々な商品を見てきたけれども、自分が思い描く理想のインソールには巡り合えていないという方もいらっしゃることでしょう。
靴関連の仕事に携わる方や、医療従事者、トレーニングのお手伝いをするトレーナーの方などなら尚更です。
私たちは、こうしたお考えをお持ちであるにも関わらず、実際に商品化するに当たって開発から製造までどのように進めて良いのかわからないという方々にご協力しています。
企画商品を製品化するまでに行う作業は、案件ごとに異なると言えますが、以下、代表的なものの企画段階から製造、納品に至るまでをわかりやすくご説明いたします。
それぞれどの程度の時間が必要か、費用はどのくらいかかるか、まったく分からないと思います。また、企画段階から、商品の製造元、輸入元、販売元という表現方法の違いもきちんと把握しておかなければなりません。
一般に世間で「よい商品」として認識され、流通しているものは、製造コストが、ある程度決まっています。原価を低く抑え、販売価格の高いものも中にはありますが、想像できないほど大きなロットで発注するなどのコストダウンの方法を持っていたり、商品自体とは別に、何らかの付加価値が備わっていたりするのが普通です。
理由もないのに原価が低いというのは、その販売価格に見合っていないと言わざるをえません。